「なんだこれ」


誰も紙ヒコーキが飛んできた事に気づいていない。俺はおもむろに紙ヒコーキを開いてみた。真っ白な紙の真ん中には、こんな文章が書かれていた。





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拝啓

この紙ヒコーキを受け取った誰かさん。


この手紙を呼んだあなたはきっと幸せになれる。




退屈なカミサマより




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「はあ? 気持ちわりっ。……こいつどっから飛んで来たんだよ」


窓から顔を出して、周りを見渡す。ここは三階。同じ階層の窓はみんな閉じてるし、真下には誰もいない。

「一年……か?」

丁度真上は一年C組の教室だ。一年の誰かが悪ふざけで飛ばしたんだろう。字もそんな上手くねえし、男子か?


俺は斜め後ろにあるゴミ箱に投げ捨てようとした。しかし紙ヒコーキがそれを拒むようになかなかゴミ箱に入らなかった。何回入れても何回入れてもポトリ、地面に落ちる。


段々めんどくさくなってきた俺は、窓の外へそのままそいつを投げ捨てた。


「また投げたら帰ってきたりして」