「なあ濱村」

「ん? なぁにのぶちゃん」

「お前兄弟多いのな」

「うん! 毎日賑やかだよお。のぶちゃんは一人っ子?」

「ああ。やっぱ一人が楽だわ」

「あはは。でも裕太ものぶちゃんの事気に入ったみたいだから、今度うちにも遊びにおいでよお」

「裕太?」

「一番上の」

「ああ生意気そうなガキか」

「正解」


口では「行くわけねーだろ」とか言ってるけど、内心ワクワクしている自分がいた。四六時中笑っている濱村の近くにいると、あたしのしかめっ面もほぐされてしまう。




ああ、やっぱり濱村は『いい奴』なんだな。