「自覚がないんだ、弱っているという感覚が」


「自覚したら最後、君の自我は無くなろう。それほどまでに、君の中は“嫌な感情”で満ち満ちている。

自身のことでも他人事。無理をするなと言われようが、限界値を見極められない君には酷な話。

自縄したまま歩き回るのと同じだ。足でもなくならない限り、君は歩みを止めない」


直接的な原因なければ、私はどこまでも歩くのか。


「止まったら、進めない」


「休まなければ、いつかは止まる」


一時の休息か、永遠の休息か。選ぶまでもなく、後者がいいなと思う私はおかしいのだろう。


「進めない、だなんて体の良いことを言ったが、現実を生きている以上、仕方がないことなんだよ。勝手に進む。動く足場に乗り、止まれば落ちてしまうから歩き、障害物が向かってくるから乗り越える。

それが生きるということだ。時計は右回り。止まることはない」