《奏太》

うわっめっちゃ、ガン見してるよー

恥ずかしいなぁ


そんなこと思いながら仕事してると、
さっきまでガン見してた冬島さんが話しかけてきた。


あー!!
違う違う、他人、他人!!


「あのー、すいません。立川さん…」

照れてる。可愛い…

あー!!
違う違う、他人だ、他人!!

「はい、なんですか??」

「あの、ここの文章これ、どう直したらいいんですか??」

「あ、ここは、このご文がおかしいからこれを変えて、これをこっちにもってくればいいよ」

「あ、ありがとうございます。あたし、まだそんなに立川さんと話したことなかったので緊張しちゃって…。でも、これからもよろしくお願いします!!」

そんなこと、思ってたのか…
こっちが避けてただけなのに…
悪いことしちゃったなぁ…

「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。俺もまだわからないこと多いから、頼りにならないかもしれないけどね。」

「そ、そんなこと…。あっ、あたしはこれで!ありがとうございました!」


そそくさと、冬島さんは、自分の席に戻っていった。可愛い子だな。フワフワして…

てか、オレはさっきからなにを考えているんだ。あいつに似ているだけだっつうの!!


違う、他人だ。