「おかえり、修斗」


「ただいま」


その日の夜、日付が変わる前に修斗は家に戻ってきた。


「すごかったよ、修斗。ゴールと、勝利おめでとう!」


「サンキュ」


「好調な滑り出し?」


「まあ、もっと決められる場面はあったけどな。でも、今日はこれでいいだろ。次からはもっと決めるけどな」


そう言って修斗は、満足そうに笑った。


次の試合はアウェーで、修斗は前泊で敵地に乗り込んだ。


そしてその試合にも先発で出場、ゴールは決められなかったけど、アシストで勝利に貢献した。


でもその試合から帰ってきた修斗はかなりの不満顔で、次の日はオフだったのに一人でボアシルの練習場にボールを蹴りに行ってしまった。


まあ3時間くらいしたらすっきりした顔で帰ってきて、近くの街にデートに連れて行ってくれたんだけどね。


その後の試合も修斗は先発で出場、ゴールやアシストを決めて、チームに貢献した。


そして平日は練習、週末はホームかアウェーで試合、週一でオフという修斗のスケジュールに慣れ、気がついたらドイツに来て3カ月が経過していた。


ドイツに来たのは夏だったのに、11月の今は気温が二桁に届かない日が続いていた。