そしてボールは誰にも触られることなく、綺麗にゴールに収まった。


「……入った。入ったよ!」


思わず拍手をしてしまう。


デビュー戦でゴールなんて、やっぱり修斗はすごい。


『やりました、高木選手。デビュー戦でゴールです』


『いや~素晴らしいですね』


アナウンサーも、解説の人も、すごく興奮している。


スタジアムのサポーターも大興奮で、「修斗コール」が響いている。


そして修斗は……。


サポーターに向かって右手を大きく振り上げ、喜びを爆発させていた。


チームメイトも修斗に集まってきて、抱き付いたり肩を叩いたりして、喜びを分かち合っている。


「もう、なんでそんなにカッコいいかな?」


いったい修斗は、何度私の心をときめかせれば気が済むんだろう。


そう思うくらい、心臓がドキドキと高鳴っていた。


喜びが収まったピッチでは、また試合が再開される。