『では、後半開始です。どうやら、後半頭から高木選手投入のようです。ブンデスリーガデビュー戦、どのような活躍をしてくれるのか、楽しみですね』


そのアナウンサーの言葉に、飲んでいた烏龍茶からハッと顔を上げる。


テレビ画面を食い入るように見つめれば、ピッチサイドに修斗の姿。


キュッと表情を引き締め、軽く体を動かしながらピッチに入れてもらえるのを待つ。


初めて見る、黄色いユニフォーム姿の修斗に、思わず「カッコいい」とつぶやいてしまった。


選手交代の確認が終わり、修斗がピッチに飛び出す。


先にピッチに集まっていた味方選手に迎え入れられて、エンジンに加わった。


「修斗、頑張って」


祈るように声をかけると、後半開始のホイッスルが鳴らされた。


修斗のチームのキックオフで、試合が始まる。


「行け、修斗！」


味方からパスを受け、修斗にボールが渡る。


「あっ！」


ドリブルで仕掛けようとすると、すかさず相手選手が修斗に足を伸ばし、ボールを取られてしまった。


さすがに世界最高のリーグだけあって、Jリーグのときみたいに、簡単に相手を抜けるわけではない。