コウセイ、大好きっ!
午後の気持ち良い天気を
アイリは、眺めていた。頭の中は
この前会ったコウセイの事ばかり。
さっきから どうしたの?と
しつこく聞いてくる妹、アリナを
軽く手で制して・・・空想の世界に
戻って行った。
三日前・・・ーーーー
久しぶりの発作が出た。
持病の心臓病なのだけど、もうずいぶん
出ていなかったので 恐怖と苦しさで
その場に座り込んで泣き出しそうに
なっていた所をー・・・
助けてくれたのが・・・
コウセイだった。
「こっ・・・こう・・せい」
「乗れ。発作だろ?家まで
はこんでやる。」
「いっいい・・・よ。私っ重いし」
「いいから!お前喋れてないじゃん!
こーゆう時は甘えとけば
いいんだよ!」
コウセイはひょいっとアイリ
を持ち上げ、軽々運んで行く。
「うん・・・ありがと・・」
聞こえるか分からないくらいの
小さな声だったが、
コウセイは、アイリを見て
微笑んだ。
あぁ。コウセイって昔からこうだった
なぁー・・・ピンチの時っていつも
助けてくれたよね。
最近野球頑張ってるし。
私の初恋なんだよね。。。
一生懸命な所、変わってないね。
ありがとう ありがとう
家につく頃には アイリはぐったり
していたが頭の中は
発作の辛さとコウセイの事
ばかりだった。