彼は静かに答えた。

「いや・・・まだ、いいだろう。ただ、シオ達に警戒しろ、とは伝えておこう。」


「そうだな。私も、それがいいと思う。」


「うし。じゃ、それで決まりだな。
ってことは、ウェイの出番か?」


ケンタウロスの問いかけに、彼は頷いた。

そして、少年に命令する。



「ウェイ、聞いていただろう?ソウ、ヒルゥ、シオに伝言だ。
"姫をよく見ろ。そして、警戒しろ。"と、伝えろ。

分かったな?
―――行け。」


最後の言葉を聞いたが早いか、少年はコウモリとなっていた。


「いってきまぁす!」

そう、元気に言い、コウモリは窓から出て行った。



コウモリが見えなくなると、彼女は即座に箒をどこからともなく取り出し、跨った。



「話は終わりだな。私は帰る。じゃあな。」


クールに言い、彼女もすぐに館から飛んで行った。



それを見届けた後、ケンタウロスは彼に言った。


「お前さ・・・・・いつになったら、気持ち伝えんの?」


彼は不機嫌にふいっと顔を背け、一言。


「うるさい。」



(・・・こいつら、どうしてこうも上手くいかねぇんだ?)


ケンタウロスは、ため息をついた。