2人は眉間にしわを寄せる。

それを見て、彼はため息を吐き、言った。


「やはり、そう思うか。その竜は、エリスではないか、と。」

その言葉に、2人は頷いた。


「私も、そう思う。だいたい、白銀の体にルビー色の瞳の竜なんて、エリス以外にいないだろう。」


「だが、おかしくないか?エリスは竜のリーダー。掟のことだって重々承知してるはずだぞ?」


「いや、そもそも、がおかしいだろう。」

彼は2人をそう遮った。



「エリスはどの竜よりも気高く、プライドが高い。そんな竜が、姫を・・・人を乗せると思うか?」


「「思わない。」」


「しかも、だ。ウェイ、お前が見たとき、その竜はもう1人乗せていたんだろう?」


「はい!お姫様と、茜色の髪の男の人です!」



それを聞き、3人は更に眉間のしわを深くさせた。



「おかしいにも、ほどがあるぞ。エリスが、2人も乗せただと?
しかも、だ。その男はどうして姫の存在を知っている?」


彼女はぶつぶつと言い続ける。


「掟破り寸前の行為を、エリスがやるかと言えば・・・まぁ、やることもあるだろう。

マイペースで自分勝手な竜だからな。
だが、人を乗せることはしないはずだ。


そして、何よりもの問題は、その男だ。
なぜ姫の存在を知っているのか。


それに、双方とも、なぜ姫の居場所が分かったのか・・・・・・

エリスも、姫の居場所は知らないはずなのに。」