「2人共知っているだろうが・・・昨夜、姫が外出した。」


「あぁ、知っているとも。姫君にかけた魔法のおかげで、午前3時には察知することができた。」


「俺も、アスクほどの早さではないが、感知することはできた。」


2人の答えに、彼は頷き、話を続けた。


「姫君を連れ出したのは誰か・・・は、知らないだろう?」


「「あぁ。」」


「やはり、か。」


「お前は、知っているのか?私は知らないのに?」


「あぁ・・・・・。というのも、ウェイが、目撃したようでな。」


その言葉に、彼女とケンタウロスは、バッと、大人しく話を聞いていた少年に目を向けた。


少年は目を丸くして、おそるおそる呟いた。

「もしかして・・・・・・僕が話さなくちゃいけない感じですか?」


「「「そうだ。」」」


「そう、ですかぁ・・・。でも、主様に言ったじゃないですか、僕。」


「お前が話せ。面倒くさい。」


「そう、ですかぁ・・・。
えっと、あの、お姫様、竜に乗ってました。」


「「竜?」」


「はい、そうです。白銀の体に、ルビーみたいな綺麗な瞳の竜です。」



彼女とケンタウロスは、顔を見合わせた。



「白銀の体に・・・」

「ルビーみたいな綺麗な瞳・・・?」