広がる世界は―――






どこまでもどこまでも大きくて――――・・・・・。








月明かりに照らされた木々の緑。



花々の色は、日中はもっと鮮やかなんだろうけど、それでも、美しかった。






そして、あたしは初めて気付いた。








「あたしの住んでる城って・・・・・山の中にあったんだ・・・・・・。」





そう。


あたしの住んでいる城の周りには、人工的なものが一切無く、ただ、自然が美しかった。



上空から見るから、山の頂上付近に城が建っていることが明白に分かる。


でも、地上の山の付近から見れば、城はまったく見えないんじゃないかな・・・?



まるで、城そのものを、隠しているかのように感じるのは、あたしの気のせい?




そんなことを頭の隅で考えつつも、あたしの目は、まだまだ下を見続けていた。