「それより、見てくださいクロード。美しき“眠り姫”がいますよ。」


「承知してます。」



クロードはピシャリと言い、はあぁとため息を吐いた。


「なんだって、こんな危ないことをあなた様がしてるんですか・・・。」


「好きだからに決まっているでしょう?」


王女はふんわりと微笑み、そっとお姫様に囁きました。



「お久しぶりですね、わたくしの唯一無二の友。
もう一人の友とちょっとした計画を練っていますので、安心してくださいね。」


「安心し過ぎてるようにも思えますがね、その“眠り姫”は。起きる気配ゼロじゃないですか。」


「そうですねぇ。一体“何をしている”んでしょうねぇ。」


「・・・あぁ、“そう”ですか。
時間までに“戻ってきて”もらわなくてはですね。」


「大丈夫ですよ。時間はまだたっぷりありますから。

もう一人の友はどうしてるでしょうかね。愉快に過ごしているといいのですが。」


「ソユ様の"愉快"の基準は少々、いえ、大分ズレているかと。」


「そうかしら?あの友はきっと愉快だと思いますよ?」


「う、ううーん。否定しきれないのが怖いですね・・・。」





眠り続ける“眠り姫”のそばで、王女はおっとりと、使用人は苦く、笑うのだった。