––––––アスクと国王が牢へ向かった頃、城の中の豪奢な一室では、1人の娘が空を眺めていた。
きらめく金髪。陶器のように白い肌。
娘の瞳は美しいエメラルドのようだが、片方の目は、宝石がついた黒い布で覆われていた。
娘は空から目をそらし、滑らかな黒いドレスの裾を揺らして天蓋付きの黒いベッドに腰掛けた。
そして、ベッドに横たわっている1人の娘の頬をそっと撫でて笑みを浮かべた。
「ふふ。寝顔は変わりませんね。
仮面舞踏会が終わるまでには起きてくださいよ?お姫様。」
そこまで言って、娘はおかしそうにくすくす笑った。
「って、わたくしもお姫様なんですけれど。」
娘––––王女、ソユは優しい眼差しで、今はさくらんぼ色の瞳を閉ざした"行方不明中"の姫君を見つめていた。
そこに、コツコツという足音が次第に大きくなりつつ聞こえてきた。
そして。
––––コンコン
「ソユ様、今、よろしいですか。」
「大丈夫ですよ、クロード。お入りになってください。」
入ってきたのは、執事服に身を包んだ黒髪黒目で肌が浅黒い長身の青年。
彼はドアを閉めた後、王女に鋭い目を向けた。
「いい加減にしてくださいソユ様!使用人にまで敬語を使う必要はありません!」
「で、ですが、使用人の方々のおかげで今のわたくしがあるのであって・・・」
「それは承知しています!ですが、それでナメられてはたまりません!」
きらめく金髪。陶器のように白い肌。
娘の瞳は美しいエメラルドのようだが、片方の目は、宝石がついた黒い布で覆われていた。
娘は空から目をそらし、滑らかな黒いドレスの裾を揺らして天蓋付きの黒いベッドに腰掛けた。
そして、ベッドに横たわっている1人の娘の頬をそっと撫でて笑みを浮かべた。
「ふふ。寝顔は変わりませんね。
仮面舞踏会が終わるまでには起きてくださいよ?お姫様。」
そこまで言って、娘はおかしそうにくすくす笑った。
「って、わたくしもお姫様なんですけれど。」
娘––––王女、ソユは優しい眼差しで、今はさくらんぼ色の瞳を閉ざした"行方不明中"の姫君を見つめていた。
そこに、コツコツという足音が次第に大きくなりつつ聞こえてきた。
そして。
––––コンコン
「ソユ様、今、よろしいですか。」
「大丈夫ですよ、クロード。お入りになってください。」
入ってきたのは、執事服に身を包んだ黒髪黒目で肌が浅黒い長身の青年。
彼はドアを閉めた後、王女に鋭い目を向けた。
「いい加減にしてくださいソユ様!使用人にまで敬語を使う必要はありません!」
「で、ですが、使用人の方々のおかげで今のわたくしがあるのであって・・・」
「それは承知しています!ですが、それでナメられてはたまりません!」