◆◆◆◆◆
そびえ立つ巨大な白亜の城。
その前を通り過ぎる人々は、必ずと言っていいほど、一度はその城を仰ぎ見るほどの美しさだ。
人々は束の間、その素晴らしい城の中にある、華やかな王宮を想像し、憧れる。
しかし今、羨望の的であるその城の中のある一室では、全くもって羨ましくない、陰鬱な会議が行われていた。
「まだ姫の行方は分からないのかっ!」
たんっ
今年7歳ーー人でいう70歳になる、小人のリーダーが、苛立たしげに愛らしいその手を机に叩きつけた。
大した音は立たなかったが、地味に彼は痛そうだ。
「残念ながら未だに姫の行方は分からない・・・申し訳ない。」
小人のリーダーに深く深く頭を下げたのは、美しい女ーー魔女のリーダーのアスクだ。
隣には吸血鬼のリーダーであるバースも立っていて、アスク同様に深く頭を下げている。
有能な2人が頭を下げるという事態に、リーダー達はそっとお互いの顔を見る。
そこここから囁き声が交わされ始めた。
「あの2人がいて見つからないだと?」
「使用人達を束ねていた3人も揃っていなくなっているというじゃないか。」
「もしやこれは何かの陰謀では?」
「それとも我らへの反乱・・・?」
憶測が飛び交い、彼らは不安に瞳を揺らす。
(もし、姫君がまた“あのようなこと”を起こしたら・・・)
そびえ立つ巨大な白亜の城。
その前を通り過ぎる人々は、必ずと言っていいほど、一度はその城を仰ぎ見るほどの美しさだ。
人々は束の間、その素晴らしい城の中にある、華やかな王宮を想像し、憧れる。
しかし今、羨望の的であるその城の中のある一室では、全くもって羨ましくない、陰鬱な会議が行われていた。
「まだ姫の行方は分からないのかっ!」
たんっ
今年7歳ーー人でいう70歳になる、小人のリーダーが、苛立たしげに愛らしいその手を机に叩きつけた。
大した音は立たなかったが、地味に彼は痛そうだ。
「残念ながら未だに姫の行方は分からない・・・申し訳ない。」
小人のリーダーに深く深く頭を下げたのは、美しい女ーー魔女のリーダーのアスクだ。
隣には吸血鬼のリーダーであるバースも立っていて、アスク同様に深く頭を下げている。
有能な2人が頭を下げるという事態に、リーダー達はそっとお互いの顔を見る。
そこここから囁き声が交わされ始めた。
「あの2人がいて見つからないだと?」
「使用人達を束ねていた3人も揃っていなくなっているというじゃないか。」
「もしやこれは何かの陰謀では?」
「それとも我らへの反乱・・・?」
憶測が飛び交い、彼らは不安に瞳を揺らす。
(もし、姫君がまた“あのようなこと”を起こしたら・・・)