鮮やかな臙脂色の、楕円形のお菓子のカン。

しかし、こちらにも何やら顔がある。


つぶらな、子犬のような黒い目。
長くてハッキリしている3本のまつ毛。

ぷっちりとした、濃いピンクの唇。

ほんのり桃色に染まっている頰らしき部分。



・・・とってもプリティな女の子みたいです。




「あれ、そうだったゴンか〜。」


「相変わらずボケてるカンね。」



呆れたようにため息を吐いた後、プリティなカンカンは、あたしの方を向いてにっこりした。



「初めまして、お姫様。あたい、カン。
よろしくカン。」


「あ、はい。あたしはリアです。
こちらこそよろしくお願いします、カンさん?」


名前、カンでいいんだよね?そのまんまだけど、いいんだよね?!


「敬語なんやめてカン〜!
あとあと!呼び捨てでいいカンよぉ!」


あ、名前カンでよかったみたい。
ほっ・・・。


「オッケー!
で、そこの大鍋君は・・・」


「あぁ!忘れてたゴン!
オイラはゴン。よろしくゴン〜。」


「おっけ!よろしくね、ゴン!」



こうしてあたしはカンとゴンと仲良くなった・・・って、なんか忘れてない?