なんでそんなことになってんの!?
あたし、ぼーっと見てただけだよね!?


老人はじぃっとあたしを見つめた。

どこか孤独を感じさせる蒼灰色の瞳。
寂しい空のような、雲のような、霧のような――。

薄い色の瞳とは対照的に、視線は張りつめていて、鋭い。


射抜くように、真っ直ぐにあたしを見つめる。


なんだろう。あたし、あたし、どこかで




この人に会ったことがある気がする。









考えるより先に、口から言葉が飛び出た。



「星はっ・・・」


「あ?」


「星は、今、笑っていますか?」






目を、見開いた。

あたしも、この老人も。


何言ってんの?あたし。
星が笑うとか知らないし。いきなり、どうして・・・・・・




「ふっ・・・ははははは!」


へ。

びっくりして目をきょろきょろさせていたら、老人が爆笑した。