「料理、すっごく美味しかったです!またいつか来れたら、来ます!」


「おう!楽しみにしてるな。」


二カッと、ライドさんが白い歯をみせて笑う。
褐色の肌に、白い歯はとてもよく映えた。

明るくって朗らかなライドさんらしい笑顔と、別れ方。

あたしも真似して、にかっと歯をみせて笑ってみた。


そうして、店の外に出れば――


「うっわお。」



やっぱり大勢の人が行きかう、エネルギーに溢れる道路に出た。

ウィレボは、どこもかしこも活気があって、明るい。
鬱々とした気持ちなんて、全部ふっとばしてくれるような雰囲気。

まだ少ししかいないけど、あたし、ここ好きだなぁ。


「さーて、どうすっかな~」

んー・・・と、レオが伸びをする。


「腹ごしらえもしたし、目的地に行くかー・・・と、言いたいとこなんだけど。」


「何か問題でもあるんですか?」


「おー。このまま帰ったらエリザベスが超不機嫌だ。」


は?

「・・・エリザベス?」


あたしが思わず呟いた声に、レオが力強く頷く。

「おう。エリザベスに貢物として木苺酒を最低でも1樽は買わねぇと・・・。」


「あ、そういえば言ってたね。買ってきなさいって。」

ていうかあたしが言われたんだっけか。
しかも5樽だったような?


「そう。で、エリザベスが飛ばなきゃどうにもなんねぇからさ。

とりあえず木苺酒を買わなきゃなんねぇんだけど・・・
俺もここに来るのは久しぶりで、酒屋がどこか分かんねぇんだよ。」