お手手を合わせて懇願。

シオはにっこぉりと、恐ろしいくらい美しい笑顔を見せて、紙ナプキンを離した。
いやもう、それはそれは恐ろしい笑顔で。


「ひ、ヒルゥ!そんな阿呆なことがわるわけないでしょ?そこまでここらの男は物好きじゃないはずだよ!!!」


「もーっ!リーちゃんってばテレちゃってぇ~このこのーっ」


つんつんと、あたしのわき腹あたりをひじで軽くつつくヒルゥ。

おぅ、シオとは違ってなんて優しいんでしょう。あたし感動・・・じゃなくて。



「そんなわけな「ごっそーさまでした!」」

あたしの声は、レオの明るい声にかき消された。


「おー、お粗末さまでした!また来いよ~」


「気が向いたらな~」


ひらり。
レオが軽く手を振り、店の外に出て行く。



「え、っと?」


「出るんだよ、外に。」


展開についていけずに首を傾げれば、ソウに教えられた。


「え、いつの間に!?」


「ヒルゥとリアが話してた間に。だからシオがついでにリアの口元拭ったんだよ。」


「あぁ、成程!」

単なる罰ではなかったのか!



「てことで、行くぞ。」


ソウに言われ、あたしも頷いて席を立った。

ライドさんを見て、笑いかける。