リーちゃんがレオを見るあの瞳。

思い出すだけで、胸の奥がむかむかしてくる。


あぁもう、なんだよ、なんだっていうんだよ!

レオなんて、つい最近ひょっこりでてきた新しい病原菌みたいじゃないか!


情報が少ないのに、妙に強いヤツ。

うん、もの凄くいいたとえ。
我ながら冴えているなと思った。



―――そう、少ないんだよ、情報が。

レオについて、僕達はほとんど何も知らないんだから。


そもそもなんでこんな短期間でリーちゃんの心をつかめたのか。

なんでこんなに短期間で・・・あっさりと色々枠組みとかをぶち壊せたのか。

なんでエリスなんていう大物のパートナーになれているのか・・・。



考えれば考えるほど、謎だらけだ。


それに、リーちゃんを見つめるあの視線。


あれには愛しさと切なさと・・・

・・・憎しみが込められていた、気がするんだ。



あーもー・・・本当、色々ごっちゃごちゃになってるなぁ。



「ごめんください遅れましたー!」


本格的に頭を抱えたくなったところで、レオが木製のドアを開けてお店に入ってきた。

マジシャンの衣装はすでに着替えたらしく、元の服装に戻っている。


明るい陽気な笑顔。


ねぇ、レオ。
その笑顔の下には、どんな顔があるの?

僕は心の中で、レオに問いかけてみた。





―ヒルゥside end―