「リア様、どうぞイスに座っていらしてください。今日使う資料を持って参りますので。」


「え!あたしが持って来るよ!」


「いけません。リア様に任せると、どうせ他の資料を読みふけってしまうのでしょうから。」


「チッ。バレたか。」


「・・・・・いつも同じような会話をしてませんか?」


「チャレンジ精神は大切だからね。」


「そのチャレンジ精神を少しでも、家庭科やおしとやかさに使ってくださるといいんですが。」


「まぁ、それは気にしない感じでいこう!ポジティブに!」


「・・・・・・・はぁっ・・・。

・・・資料、取ってきます。」


「行ってらー」


「言葉づかい、気をつけてくださいよ、本当に・・・・・」





シオはブツブツ言いながら資料を取りに行った。







あたしは資料室の真ん中の、唯一資料のない開けたスペースに置いてある、木製の黄土色のイスに座る。


このイスは、黄土色の横長の机とセットになっていて、地理はいつもこの資料室のこの机で勉強する。



あたしはぼんやりと、記念すべき第一回の地理の勉強の内容について、思い出す。


この城での一番初めの学習が、地理の勉強だった。