まったりと昼ドラを見ながら、昼食を終え、
窓から流れ込む春のそよ風に
うっとりとクッションを抱きしめたまま、私はくつろいでいた
ふと携帯電話を手にし、blogチェックをしようとした時、先ほどの着信を思い出した
「あ…………?」
相手はblogで知り合った、某有名レーベルのディレクターの藤堂さんだった
ディレクターといってもほとんど雑用係みたいなモノで、私達が思っているほど優雅な職業ではないらしく、blogを通じて仲良くなり、今では飲み友達だ
時折愚痴以外に、自分が抱えるアーティストへの思いや、自分の夢を語る藤堂さんに、違う業界とはいえ、感化される事も多々あった
特に焦る事もせず、私はゆっくりとボタンに指をあてた
電話はすぐに繋がり、
「あ、イクちゃん?」
軽いノリで藤堂さんの声が耳に入った
「お久しぶりです、どうしたんですか?」
「あ、ちょっとお願いがあるんだけど!」
「へ……?」
いつもとは違う、焦った声に、少し驚いた
頼み?
「イクちゃん、今仕事してないよね?」
「はい(笑)」
「ちょっと、力貸して欲しいんだけど!」
…………私?