その人が座っている椅子まで
ノロノロと近づいて

「あの…」

と声をかけた

すると本を読むのをやめて
冷たい目で私を見てきた

バクバクいっている心臓を抑えて
お礼を言った

「さっき本を戻すの手伝ってくれて
ありがとうございました。」

「あぁ、別にいいよ。あんたチビだから
背伸びすんの大変そうだったし。」

少し冷たい物言いだったけれど
優しい人だと思った。

「あの、3年生ですか⁇」

もっとこの人のことが知りたくて
気づくとそう聞いてしまっていた