「玲奈は人に甘えることを覚えろよ。
いい加減にしないと、またあの時みたいになるぞ?!」




あの時………



それは、同じ中学だった愁くんだから知っている、私の過去。




「俺は、もうあんな日々を玲奈が送ってるのを見るのは嫌だ……」



「ごめんね。」




あの時も、愁くんが助けてくれたよね。



同じクラスでもないのに、毎日来てくれた。




「玲奈……」



その呼び声に、ハッと顔を涼に向けた。



切ないのか苦しいのか哀しいのか……


わからないけど、涼は泣きそうな顔をしてたんだ。




あの過去のことを、私はまだ涼に言えていない……