「……大丈夫か?」




生憎保健室には先生がいなかった。



代わりに愁くんが、保冷剤で冷やして、手当をしてくれている。




「ごめんな…。」



「ん?なにが…?」



「こうなる前に、気付けたら良かったんだけどな……」




悲しそうに、顔を歪め続ける愁くん。



愁くんがそんなに傷付くこと、ないのに…




「大丈夫だよ。あそこで愁くんが声をあげなかったら、私は放心したまま何も出来なかったもん。」



だから、慌てて愁くんが冷やしてくれて良かったよ。




「………本当に、跡に残らなきゃいいんだけどね。」



「愁くんが気にすることないよ。」




私以上に私のことを心配してくれる。



愁くんは優しいね。