「………。」



涼に睨みつけられた女の子たちは悔しそうに顔を歪める。



涼、私がこの子達に転ばされたこと、知ってたんだ……




涼はそのまま、私を抱いて運ぶ。



揺れる怖さの中、涼に抱きついたまま離れない。



涼はこうやって助けてくれるけど、その度に睨まれるのは仕方のないこと。



だって、涼はみんなの人気者だから。




「玲奈。着いたぞ。」



ゆっくりと保健室の椅子に下ろしてくれる涼。



「ありがとう………」


「足だせ。」



涼に言われ、痛めた右足を出すと、料理は優しく労わるように触れてくれる。




「こうすると、痛ぇか?」



「………っん。」