「玲奈!!」



涼の声だ……



呼ばれた方を見れば、隅っこにいる私に笑顔で手を降る彼の姿。



こんなに隅にいるのに、見つけてくれた。




「降りて来いよ!待ってるから。」



「うん!」



慌てて、階段の方に向かう。


あんなに大勢の前で、名前をはっきりと呼んでくれたのが嬉しくて。



ちゃんと彼女なんだなって、安心した。




「ブース」


「っち」



涼の所に向かう間も、多くの女子に睨まれて、心が痛むけど。



仕方ないこと。



それでも想いを止められないから、これくらい我慢しなきゃいけないんだよね。