人形たちはそれぞれ、自分の宝物を隠し始めた。それは千切れたボタンであったり、安全ピンであったり、くるみであったりした。少女の人形もそれに倣い、お気に入りの青いリボンの隠し場所を探し始めた。

ふと、いつもは閉ざされている扉がほんの少し、開いていることに気がついた。
「この扉の先に隠せば、誰にも見つからないんじゃないかしら」
人形はそう思い立ち、こっそりとその扉を通り抜けていった。