翌日


朝食を済ませ
マナカを駅まで送るため
朝の散歩がてら
手を繋いで駅へ向かう道をゆっくりと歩く


「マナカ、せっかく来てくれたのに、時間取れなくてごめんな…」


繋いだマナカの手が冷たかったのでオレが着ていたパーカのポケットに入れる
朝晩、冷えてきたからこれから心配だな


「ううん、潤の仕事してるとこ見れたし、同じ空間にいられただけでも嬉しかったょ
まだ、1週間以上あるから、体調気を付けてね

特に、潤の商売道具の喉、痛めちゃだめだよ
夜、寝る時は…」


「マスク! だろ?」


「うん、そうそう」


「あとは、うがいと喉を潤すこと、だっけ?」


「うん、よくできました!」


マナカと知り合わなかった頃は、自分の喉のことなんて気にしてなかった
ちょっと、声が掠れたって、のど飴舐めときゃ治る、って思ってた

だけど、オレの心配をしてくれるマナカを大切に思ったから
自分のことも、ちゃんとしようと思った


駅に着いたので、切符を買い、電車の時刻を確認し待合室へ入った


そして…


「マナカ、合宿が終わったらのコトなんだけど…」


待ち合い室には、お年寄りと、小さな子供を連れた親子しかいなかったから
隣に座ってるマナカの手を繋いで絡ませ、オレの胸元あたりまで引き寄せる


「うん…?」


斜め上に傾げた顔、う…今ここでキスしたくなる…
けど、その前にちゃんと、ツアーのコト言わないと…