『うん。スゴイね、この部屋。
 何か、見とれちゃう…。どのくらいあるの?』

「んー。500はあると思うよ。」

『トランプってそんなに、種類あったんですね。』

「ハハッ。以外だった??
 面白いトランプ特別に見せてあげる。」

そう言って、取り出したのは

とてもかわいいトランプ。

『かわいい…。どこのトランプ?』

「このトランプは、トランプ屋オリジナル。
 オレの親父が小さい子向けにって作ったんだ。」

『サクヤのお父さんって、何か優しそうな人だね。
 そのトランプ、すっごく気に入りました。』

「優しくないよ。
 職人って感じで、オレのコトなんて構ってもくれなかった。」

サクヤはすごく悲しそうな笑顔だった。

無理して笑ってる…。

『サクヤ。無理して笑わなくていいんだよ…?』

「ありがと。
 よかったら、このトランプあげるよ。
 ユズにもらってもらえるなら、親父も本望だよ。」

『いいの?ありがと。
 ずっと、ずっと大事にするよ。』