いつもよりか、気合いを入れて

服を選んだ。ちょっと、早起き。

早く、サクヤに会いに行きたいから。

カランコロンッ♪

「いらっしゃい、ユズ」

サクヤが笑顔で私を迎えてくれた。

『おはよッ!
 こんな朝早く来ちゃってゴメン。
 でも、お店開いててよかったよ』

「ユズのこと待ってたんだ」

ドキッと私の胸が高鳴る。

サラッとそんなこと、言わないでよ。

どんどん顔が赤くなる。

「どしたの?顔真っ赤。
 熱でもあるの?二階家だから、入る?」

サクヤは、大人っぽいくせに

鈍感だった。たまに見せる、

子供のような性格が愛おしくてたまらなかった。