あたしと光唆は一緒に帰っていた。 「なあ、沙羅はどうするんだよ。」 光唆が前を向きながらあたしに言った。 「そんな…まだ決まらないよ。 突然言われたんだもん。」 「そうだよな。」 光唆は難しい顔をして答えた。 光唆は中学生の時、陸上部のエースだった。 高校に入ってからも陸上部に所属して、全国大会を目指したいって言ってた。 一度しかない高校生活なんだから、自分がしたいと思う事をするべきだと会長さんも言っていた。 「沙羅はさ、何かやりたい事とかあんの?」