「行くぞシダバーッ!」


おれは威勢よく駆け出した。


すると道に落ちていた石につまづいて転んだ。そして、目の前にあった電柱に顔面を強打した。コンクリートの電柱に、ビキッとひびが入った。


「ぐおおおおっ!」


仮面の上から顔をおさえ、しゃがんで痛みに耐えていると、ひびの入った所から電柱がバキバキと折れ、おれの頭上に倒れてきた。


ごつっ


脳天に鈍痛。


「ぎゃああああっ!」


アーマーのおかげで傷はないが、痛い。すげえ痛い。
脳がゆれ、ふらふらになりながら立ち上がり、千鳥足で車道に出ると、トラックにはねとばされた。


「ぶらああああっ!」


おれは高く舞い、げぇっとうめき声をあげて、十体のシダバーのど真ん中に落下した。
シダバー達は、少しの間顔を見合わせたあと、にやりと笑い、チャンスとばかりに倒れたおれを取り囲んだ。


「あ、いや、ちょっと待って!いまのナシッ、いまのナシで!少し前からやり直しさせて!イヤッ、イヤッ!こっち来ないで!イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァッ!!」
























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