そのあと、おれは餅からベルトの操作法をくわしく教わった。
あらかた覚えた頃には、日がのぼり、朝になっていた。
そのとき、ユウ・Uーのコートのポケットから着信音が鳴った。ユウ・Uーは、携帯電話を取り出して、耳に当てた。
「おれだ、どうした?」
電話に出たユウ・Uーの表情が、だんだんと、険しいものに変わってゆく。
「そうか、わかった」
電話を切ると、ユウ・Uーは、餅とおれを交互に見て、言った。
「市内のスーパーマーケットに、シダバーの集団があらわれて、民間人を襲撃しているらしい」
ユウ・Uーは、おれを見た。
餅も、おれを見た。
おれは、ゆっくりとうなずいた。
「行こう」