「はっきりとした原因は分かりませんが、TFシステム研究所の情報が、シダバーに漏れていたようです。それで、TFシステムの完成を阻止するために、奴らはあなたのお父さんの命を狙ったのでしょう」
餅は、うつむきながら言った。


「・・・・・・なんだよそれ。なんなんだよそれ!ふざけんなよ、もう!なんなんだよ!」
おれは両手で頭を抱えた。


胃が痛くなってきた。


二十七年間過ごしてきた、平凡な日常の裏に、そんな非日常があったなんて知らなかった。


事実の衝撃の大きさに、おれは呆然とするしかなかった。
「なんなんだよ、シダバーって?」
弱々しくつぶやく。
「知りたいですか?」
一歩近づいて、餅が聞いた。
「え?君、知ってるの?」
「ええ、ただその前に、あなたにお願いしたいことがあります」


突然、餅は、道路の上で、勢いよく土下座をした。


「な、何をっ?」
「お願いします!そのベルトをつけて、私達と一緒にシダバーと戦ってください!」