脳が焼ける脳が焼ける脳が焼ける脳が焼ける。


ふざけるなふざけるなふざけるなよなんでなんでなんでこんなことになるんだよふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんな。


怒りが頭をうずまく。
すると、頭の中が猛烈にかゆくなってきた。


かゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆい。


まるで脳味噌にブツブツとたくさんの赤い湿疹ができてヒリヒリしているみたいだ。頭蓋骨に指を突っ込んで、脳味噌の表面をガシガシとかきむしりたい。


クモシダバーが向かってくる。
「 」
何か言っている。
よく聞こえない。
それよりもかゆい。かゆくてたまらない。苦しい。なんでこんなにかゆいんだ?


クモシダバーが、目の前に立った。
こいつか?そうだ。こいつだ。
こいつだこいつだこいつだこいつだこいつだこいつだこいつだこいつだ。
こいつのせいでかゆいんだ。
こいつのせいで苦しいんだ。
体が、熱くなってきた。
筋肉が、みきっと膨らむ。


「殺す」おれはつぶやいた。「おまえを殺す」


クモシダバーは、ガクンと首をかしげた。
「私の糸で、ぐるぐる巻きで動けないくせに、おまえは何を言ってい」


ブチィッ


おれは糸をひきちぎるとクモシダバーの頭をつかんで地面に叩きつけた。叩きつけた。叩きつけた。叩きつけた。アスファルト道路が割れた。破片が何度も飛び散り、ちらばる。
剥き出した土にめりこんだクモシダバーの頭を、思いきり踏みつけようとして、高く足をあげた。
するとクモシダバーは素早く飛び上がった。