航が、頷いて深海の隣に座り、波流が反対隣に座る。俺は深海の目の前。
たしか、今日の宿題は数1のワークと、生物のワーク。
「生物は、見開き1ページだからすぐできるから、数1からやろうかな。」
テスト前にしか回収しないからって言われたんだし、別に今やらなくても…と思いながらも、深海のノートを覗き込む。
綺麗な字だ。
「ノートやるから、これやれ。生物はノートにやって提出だろ?」
その言葉に俺は頷く。
まぁ、課題が終わるわけか。
「数1もだよ!」
深海のその言葉に航はもう一冊ノートを出してきて俺に無言で押し付ける。
やれということらしい。
「…みとこんどりあ?細胞?え、核?核爆弾?」
核爆弾なんて危ないものを体内に入れてるのか…?
「ちげーよ。」
航が容赦無く俺の頭をぶん殴る。
「海渡、生物の教科担任誰だ。」
「一森浩哉。」
「一森の授業、わかりやすいだろ⁈」
え、まず寝てるんだがといいたいのを、我慢して、頷く。
「航ちゃん違うよ、海渡は、授業中寝てるの!しかもバレないの!」
深海は、にこりと俺に笑みを浮かべる。
航が俺を無言で睨みつける。
「べ、別にいいだろっ?いっちーのはわかりやすいけど、五時間目だから眠いんだよ!」
俺はそう言ってそっぽを向いた。
「月に、5000円で週2回教えてやってもいいけど。」
「は?」
「週2回、10:00から、3時間。泊まりコースで俺の家。教科は、わからないやつならなんでもいい。ただし、俺の大会前は1時間で、週1回。で、2500円って感じでいいなら、教えてやるけど?」
俺はその言葉に思い切り、飛びついた。