「俺そろそろ勉強するから。」
今は21:15。
もちろん俺と、波流は勉強道具なんて持ってない。
「深海、勉強するぞ!」
「うん!」
深海に、航が声を掛け、深海は嬉しそうに頷く。
水希の部屋に道具を取りに行くから先に部屋に行っててと言いながら、階段を駆け上る。
て、お前ら男女だろーがっ!
いいのかよ、二人きりで。
「お前らも行くぞ。俺の去年のワーク貸してやるから。」
俺たちも行くのかよ…。
勉強したくねーんだけど…。
「波流も?波流、家で勉強してきたよ?」
「波流は、小説でも書いとけよ。お前の作る小説、俺嫌いじゃないし。」
いつも思う。航は、イケメンすぎだ。ずるい。
女にも男にも同じように接する。
でも…本人は気づいてないかもしれないが深海だけは、特別に接してるんだ。
それがすぐにわかってしまうのが悲しい。
「海渡は、小テストの追試ならないようにな。」