それから、深海は、そのまま、スプーンをアイスへと運び、波流に、アイスを運び、また、スプーンをアイスへと運び…俺にアイスを運んだ。
そのまま、俺の口の後に、深海が直接食べる。
おばさんたちは見慣れたらしいし、航は、当然のようにもはや何もなかったように、また自分のアイスを食べてる。
「みーずきちゃん!ふぁ!ストロベリーだ!一口ちょーだいっ!」
水希にまで、アイスをたかってる。
「いいよー。」
と言いながら、普通にスプーンでそのままアイスをすくい、深海の口に運ぶ。
深海も、水希に、アイスを口に運ぶ。
「深海のあれは普通だぞ?中3までは風呂にまで一緒に入ろうとしてきた。結局水希と入ってたがな。」
深海は、暗いところと、狭いところがダメだったからか?
「で、航ちゃん、シンクロやってるの?」
「やってねーよ。やめた。」
「嫌いなの?」
「……あ、あぁ、嫌いだ。俺はバスケが好きだ。」
不自然な間がある。
やってないやめた。それは即言い切ったのに、好きか嫌いかは言い切るどころか、自分に確認してるようにすら感じる。