もうけんかはみたくない


「拓也、私はぜったいどこにもいかないよ、拓也のものだよ」


そういって拓也の拳の上に手を添えた。



「おれさあ、むかつくんだよね」


そういって立ち上がる翔さん


「お前の幸せそうな顔。」



そういった翔さんは拓也とおなじ目をしてた。


兄弟なのに。どうして。



「おれの女横取りする拓也がわりぃんだよ。」


ズキズキと私の心になにかが刺さる。



「・・・もう今はちげぇんだよ」




ぼそ、とつぶやいて


歩き出した。