「桃」


拓也が桃って呼んだ。
口パクで。



「あ、石山くん、!」



先生は拓也に気づくと話しかけ始めた。


「ちょうど良かった、先生まだまだ仕事あるのよ、だから石山くん、石山さんおくってくれる?」


「いいっすよ」


「ありがとう!なんか2人とも同じ名字ね!変な感じ!」

アハハハ~と笑いながら先生は校舎に戻っていった。


「もも。」


「なに?」


うううう~

けんかしてたあとだから話にくい


「今日ごめんな」


「・・・うん」


びっくりした謝ると思わなかったから。



「その傷、痛む?」


「うん」



「俺さ、お前みたいな女初めて。」


「私もよ」

「凶暴でがざつなおんな」

「冷血で冷めたイケメン」


「おま、それ褒めてんじゃん、」


アハハハって笑う拓也。

笑った顔はじめてみた。

「つーか同じ名字なんだな、」

「うん、わたしもびっくりした。」