「紗葉ちゃんはあの、華の5人組と仲良いんだね…。」




「華の5人組…?」




「…え、知らないの?あの5人、みんな美男美女なのに優しくて仲良くて…、この学校の有名人だから、華の5人組って呼ばれてるの。」


「…そうなんだ、」




屋上から校舎へと続く階段を降りながら瑠奈ちゃんと話をする。




真奈ちゃんたちすごい人気者ってこと…?






「…瑠奈ちゃんは片付けないの?」




「…ないっていうか。いじめられてから行事に全然参加してなくて。」





「…そっか。」






暫く沈黙が続く。







玄関について靴と上履きを履き替えてる時に、いきなり瑠奈ちゃんが立ち止まった。






「でも、このままじゃダメだなって紗葉ちゃんのおかげで気付けたの。」






「え…?」





思わず靴を持ってる手が止まる。





「私、あいつらとほんの少しだけでもけじめつけてくる。あいつらの為にこれからの人生無駄にするのもったいないしね。…紗葉ちゃんのおかげ。ありがとう。」






「ううん、…全然、もはや何もしてないよ、私。」








私の本音ぶつけただけだし。









「それでも、紗葉ちゃんに感謝したいの。じゃあ、私バスだから先行くね。」






「あ、うん。」







手を小さく降って帰ってった瑠奈ちゃん。







…なんか嬉しいな。