私の頬を濡らす涙は全然止まらなくて。





気づいたら女の子も泣いていた。






「治らなかったよ。



昨日余命宣告されちゃった。



あと“半年だ”って。



今までの覚悟はどこいったって話だよね。



常に恐怖に怯えて、強くなったと思った。



この世界に未練なんてないと思った。




けど、けど、やっぱ…やっぱりさ、





生きたいんだよ!…死にたくなんか、…ないんだよ!





怖いよ!死ぬこと…すっごく、怖い。」







ずっとずっと我慢してきた本音。





生きたい。死にたくない。




まだ生きていたい。




笑ってたい。





…死ぬのが、怖い。








「お医者さんは“生きたいように生きろ”っていうけど。




生きたいように生きるって何?





私が生きたい人生は、普通の人生。




病気なんてない普通の人生で、




普通に高校に通って友達がいて、くだらないことで笑い合って、





将来の夢とか語り合って、




好きな人がいて、恋をして、




大人になって、結婚して、




おばあさんになって…




生きてたら辛いことだって嫌なことだってあると思うよ。






でも、それも含めて私は生きたい。





泣いても、笑って。




…そんな人生を送りたい!






私は、そんな人生を、っ、生きたかった…のに。」








止まるどころか涙はさっきより勢いを増して溢れてくる。




…ふざけないで。



こんな生活が羨ましい、なんてふざけないでよ。





「助けてよ…、誰か助けてよ。お願い、助けてよ!! …何でもするからっ!





…っ助けて、ください。」





泣きながら本音をぶちまけてたらふっと力が抜けてその場に思わず座り込む。