僕は苦笑いで言うと、

「見たもなにも、声が大きいから丸聞こえだ。」

斎藤はため息をつき、

「真梨は副長の部屋へと入っていった。」

それだけを言うと自分の部屋へ戻っていった。

謝ろう…。ちゃんと謝ろう。

僕は土方さんの部屋へ向かった。
土方さんの部屋の前に着き、僕は深呼吸をして襖を開けた。

「ちゃんと声をかけてから入れよ。」

土方は机に向かったまんま、こちらを見ずに呆れた声で言った。