「か、片桐くん?」


「あ、歩香?」


俺は驚いた。
それは歩香も同じみたいで。


「驚いたな。お嬢様だったのか。」


そんな冷静な言葉を並べるが、俺の頭はかなりのパニック状態。



お嬢様……そんなふうには一切見えなかったし、それどころか隠してるようにさえ見えた。


なんでだ?
俺は金持ちに見せてるのに、アイツは平凡を装うんだ?



そして、俺は今の状況を把握した。


新聞配達してる俺。

これは……バレる危険が……?



俺が貧乏って……