『とりあえず、乗りなよ。』 雅仁さんにそう言われたけど、あたしは乗らなかった。 おばさんが、心配すると思った。 いや、違う。 心配されると思いたかった。 いくらあんなに意地汚いおばさんでも あたしにご飯を与え、寝させてくれなのには違いないもの。 けど、黙り込むあたしをみて雅仁さんは、察したように言った。 『おばさんに、許可とってるよ』 なんか、呆気ないと思った。