窓を全開にして
CDを流しながら
カズの横で
春色の景色を眺める


少し走ると
川沿いに
八重桜が
満開で咲き誇っていた

「綺麗っ…」


舞はそれ以外の
言葉が見つからない


カズの肩越しに見えるピンク色の桜
柔らかい光に
少し温い春色の風

舞は
世界にカズと二人だけしかいない錯覚に
落ちる