玄関に行き

「どちらさまですか?」


と、一応声をかけてみる。


「すいません、
202の部屋の者なんですが・・」


202号室と言うと
上の階の人・・?


「今、開けます」


扉を開けると

赤ちゃんを抱っこした
若いお母さんが立っていて・・・


「すいません、この郵便物
間違えて届いてたみたいで
うっかり開けてしまって・・」


そう申し訳なさそうに
1通の郵便物を差し出してきた。


宛名は・・・


黒崎伸治宛だ。


「いえ、わざわざ
ありがとうございます」


郵便物を受け取り
部屋の方に戻ると
その郵便物を
黒崎伸治に差し出した。


「何?」

「上の人が間違えて開けたって・・
謝ってた」


「あ、そう・・・」


宛名を チラッと見ただけで
中身も見ずに
床に放り投げた。


「・・・見ないの?」


「んー?何?」