そんな時間が
どのくらい過ぎただろう・・・。


本当に、黒崎伸治は
抱きしめただけで
何もしようとはせず

そっと体を引き離すと


私の目を、ただ見つめ



「俺、お前の事
好きなのかもしれねぇわ」



そう一言言うと
携帯を取り
私の事など気にせず
電話をかけ始め


「あぁ・・悪い。
ちょっと遅くなるかもしれねぇから。
は?いや、他のダチもいるし。あぁ・・
腹減ったなら
コンビニでも行って
何か食っとけ。
あぁ・・なるべく早く帰る。
じゃあ・・・はいはい・・」


そんな会話を
目の前で聞かされると


さっき言われた言葉の信用性なんて
ないわけであり・・・



「で、話って・・・・?」



気丈に振舞い
勘違いしないように必死な自分がいる。