――――――
―――
「……イっ!ルイ!先生っ、ルイが目を……っ!」
「ルイちゃんっ!」
…どれぐらい意識がなかったんだろう。
目が覚めると、そこは……病院だった。
1番に聞こえたのは、ママの声。
倒れる寸前に聞こえた、あの時と同じトーンの素晴らしいぐらい大きな声だった。
少しだけ体を起こし、辺りをキョロキョロ見回すと。
「……よかった。気がついたかい、ルイちゃん」
「あ…内山、先生……」
向こうから、いつもの笑顔で、内山先生が歩いてくる。
その後ろには、あたしの専属の看護師さんもいた。
「ルイちゃん、大丈夫?」
「看護師さん……はい、大丈夫です」
あたし……助かったんだ。
てっきり、もう死ぬのかと……。
だってママ、何も言わなかったし……。
あ、そっか。
ママはもう信用できないんだった。
あたしのママは、もういないんだった。
あたしのことを何も分かってくれないママなんか、ママじゃない。